2016年2月25日木曜日

必勝合格祈願 ~松川だるまを作ろう!~

   仙台の縁起物の一つに「松川だるま」がある。特徴は鮮やかな青で塗られた体とりりしい眉毛。江戸時代に伊達藩の藩士松川豊之進が創始したと伝えられており、古くから庶民の心の拠り所となっていた。頑張る受験生の心の拠り所になればと思い、報道部は受験生に松川だるまを送ろうと思う。



 制作した日は1月17日。受験生たちがセンター試験に挑んでいるこの日、筆者もだるま作りに挑むこととなった。本物のだるまがいかにして作られるのか考えつかなかった筆者はお菓子のだるまを作ることにした。本物のように倒れても起き上がる強さは再現できないが、松川だるまの見た目は再現しようと決心した。参考にしたのはコアラのマーチ。合格祈願お菓子の定番にも力を借り、さらに縁起を担げたのではないかと思う。

 バター、砂糖、牛乳、小麦粉を混ぜて生地を作っていく。お菓子作りの経験値がほぼ0の筆者と助っ人はこれがクッキーの生地なのかビスケットの生地なのか分からない。なかなかまとまらなくて苦戦を強いられたが、動画サイトや質問サイトの力を借りながら何とか最初の生地が完成した。冷蔵庫で寝かせて、ついに焼く段階へ。オーブントースターの使用に注意を払いつつ、焦がさずに焼き上げることができた。食べてみると甘いお菓子ではあったが、少しパサパサであった。筆者と助っ人に解決策が思いつくはずもなく、第2段の生地作りを始めた。


 七転び八起きにあやかって8体のだるまを飾る家もあるということで、今回の目標はサイズの異なる8個のだるま型菓子を作り上げることである。生地を作り、焼く作業を繰り返し、5時間ほどかけて8個の土台が出そろった。次は肝心の装飾である。アイシングで体の部分を青くする。真っ青というよりかはドラえもんカラーになってしまった。チョコレートペンで顔の部分に白目と眉毛、髭を描く。最後に赤のチョコレートペンで「合格」や「東北大」などの言葉を体に入れた。


 後日、部室でだるまの開眼式を開いた。だるまと向き合い、心を鎮め、願いを込めて左目を描き入れた。願いは勿論、受験生の東北大学合格である。そして、だるま型菓子を食す時が来た。本当は東北大学に合格した受験生たちに右目を入れてもらいたかったが、食品衛生上それはかなわない。報道部部員たちによって受験生に捧げる松川だるまは跡形もなく、なくなったのである。部員に感想を尋ねると、「甘くて美味しい。特に中のチョコレートが気に入った」などと大絶賛であった。


 残念ながら筆者には受験生に松川だるまの実体を送ることができない。しかし、この記事を読んだ受験生たちの心にはドラえもんカラーに染まった8体のだるまが既にいるはずだ。東北大学の合格が決まったときには、ぜひとも心のだるまに右目を描き入れてほしい。


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